親愛なるキューバ国民の皆さんへ
今から約70年前、カリブ海の美しい国で、少数の若者たちが、少ない武器で、強力な軍事力を持つ巨人を相手に、人間の尊厳をかけた戦いを開始しました。1959年、彼らはついに超大国米国の支援を受けたバチスタ独裁政権を打ち倒しました。革命の勝利は、キューバを含む世界中の抑圧され続けていた人々を勇気づけるとともに、その後の世界の人権運動の大きなうねりの起点を作り出しました。人類史に輝かしい1頁を書き加えたこの革命は、以後、世界中の賛同を得ながら今日も色あせることなく前進し続けています。
私たちは、キューバ革命がなぜ様々な困難に直面しながらも前進し続けているのか、なぜ世界中から賛同を集め続けているのかを知っています。それは、革命が人類存続にとっての普遍的な価値を持っているからです。革命が平等、自由を土台にした真の人権の確立、そのために必要な主権尊重、国際平和主義を高らかに掲げ、それを実践しているからです。
他方、私たちは革命の道が決して平たんではないことも知っています。強欲が支配する資本主義は、20世紀の終わりごろから行き詰まりを見せ始め、その先に経済のグローバル化現象を引き起こしました。だが、これによって世界中で多くの人々が職を奪われ貧困と格差が地球規模で広がりました。今や、人権どころか人間の尊厳までも奪われようとしています。さらに、グローバル化は各国の経済を停滞させ、逆に国家間の対立、分断を推し進めキューバ革命の掲げる国際平和主義を妨げています。
しかしながら、キューバ革命の前進を妨げる最大の障害は、60年以上に及ぶ米国政府による対キューバ攻撃にあることは言うまでもありません。そして、世界中があらゆる国際法に違反し、かつ不毛で恥ずべき米国政府の対キューバ攻撃を即座に中止するように声を上げ続けています。しかし、米国政府はその声にまったく耳を貸そうとしないばかりか、キューバ攻撃をさらに強めています。私たちは、このような米国政府の身勝手な行為を断じて許すわけにはいきません。米国政府の行為は、キューバ国民の人権ばかりか、世界の人権運動、国際平和運動に対する攻撃、さらには人類の未来に対する攻撃と同義だからです。
私たちは、戦火が広まり人権が破壊されつつある今、キューバ革命の意義を再確認するとともに、キューバ国民の皆さんが米国政府の執拗な攻撃に耐え、人間の尊厳を守るために戦い続けてきたことに改めて敬意を表します。皆さんの戦いは、同じように米国の不当な圧力を受け続けてきた中南米諸国民のみならず、世界中の人々に勇気と力を与えるものです。
私たちは、今後も米国政府による対キューバ攻撃の全面かつ即時停止を米国政府に強く求め続けていきます。そして、様々な困難を乗り越えて革命を前進させ続けるキューバ国民の皆さんとの友情と連帯の絆をより一層強めることを決意いたします。キューバ革命65周年の年、友情と連帯の決意を込めて。
2024年5月26日
第58回日本キューバ友好協会定期総会（東京）