2012年11月20日
日本キューバ友好協会
理事長 鶴田満彦
2012年11月13日、第67回国連総会において、キューバ共和国から提出されていた「米国の対キューバ経済・通商・金融封鎖を終了させる必要性」という決議案が188か国、反対3か国（米国、イスラエル、パラオ）、棄権2か国（ミクロネシア連邦、マーシャル諸島）という圧倒的多数で可決され、採択されました。188カ国という賛成国は、1992年以来21回の投票において最高のものであり、国連加盟国193カ国の97％を占めています。米国の他キューバ封鎖政策が、国際社会においてまったく支持されないことは、本年の投票においてあらためて明瞭になりました。
米国の対キューバ封鎖政策が国際的な支持を得られないのは、それが、国連憲章、国際法、民族自決権、内政不干渉、国内法の生きがい不適用、自由貿易の諸原則のすべてに反しているからです。とくに米国が、その国内法であるトリセリ法やヘルムズ-バートン法によってキューバに寄港した第三国の船舶に対して米国への寄港を180日間禁止したり、第三国の記号がキューバ産の原料を使用した製品を米国に輸出するのを禁止したり、キューバと米ドルで取引をおこなった第三国の金融機関に莫大な罰金を課するといった行為は、国際法の原則にてらして許されるものではありません。米国のこのような妨害行為のために、必ずしも豊かとは言えないキューバは、貿易のためにより多くのコストを負担し、有利な輸出や融資の機会を失っています。キューバ政府によると米国の対キューバ封鎖政策ためにキューバ国民が1962年から2011年までに被った直接的な損失額は、時価で1,080億ドル（現在のキューバ国内総生産の2年分）を超えるとのことです。
世界一の経済大国である米国が隣の小国キューバをいっそう経済的に窮乏させることによって政治社会体制の天気を迫っているのは、米国の政治的・道徳的、倫理的威信をさらに失墜させるものであり、18世紀に輝かしい独立革命を達成した米国のために残念に思います。とくにオバマ大統領を再選し、グリーン・ニューディールや輸出増大によｇって雇用を拡大しようとしている米国が、世界の経済と貿易が停滞している時期に、貿易拡大に否定的影響を与える対キューバ封鎖政策を採用し続けるのは、理解できません。
米国オバマ政権は、過去4年間、対キューバ封鎖政策にまったく手を触れようとしませんでした。しかし、再選を果たし、米国国民から今後4年間の政治の舵取りを託されたオバマ大統領は、今こそ国際社会にまったく受け入れられていない対キューバ封鎖政策を根本的に見直すべきでしょう。
日本キューバ友好協会は、日本とキューバとの友好・相互理解を深めるNGOとして、米国政府が、第67回国連総会決議に従って、直ちに対キューバ経済・通商・金融封鎖を解除するよう強く要求いたします。