親愛なるキューバ国民の皆さんへ
2015年7月、キューバと米国は1961年の米国による一方的な国交断絶宣言以来、実に54年ぶりに国交を回復しました。これは、キューバ革命に対する米国の長期にわたる不当な妨害工作にもかかわらず、団結して革命を成し遂げてこられたキューバ国民の皆さんの勝利を意味します。また、国交回復は米国の対キューバ政策の失敗とともに平和主義、国際主義を貫くキューバ革命の正当性、先進性を世界中に強く印象付けました。そればかりではありません。皆さんの戦いは、同じように米国の圧力を受け続けてきた国々、とりわけ中南米諸国の国民を勇気づけています。私たちは、このようなキューバ国民の皆さんの不屈の戦いに敬意を表するものです。
とはいえ、1962年の米国による対キューバ経済封鎖措置は半世紀を過ぎた今でも解かれていません。また、グアンタナモ基地の不法占拠は100年以上も続いています。社会体制の違いによる経済封鎖は、主権尊重や内政不干渉を定めた国連憲章に完全に違反し、キューバの主権と国民の人権を脅かすだけでなく、世界の平和、安定を妨げてきたことは明らかです。2016年3月、オバマ前米国大統領はキューバを訪れ「キューバを孤立させる政策は21世紀には通用しない」と述べました。また、1992年以来今日まで、国連総会での米国による対キューバ経済封鎖解除決議案が毎年、圧倒的多数で採択され続けています。にもかかわらず、トランプ米国大統領はこのような世界中の声に背を向け、この不毛で恥ずべき措置をさらに強化しています。私たちは、このような米国の行動に強く抗議すると同時に、真の国交回復に向けて一刻も早い経済封鎖の解除並びにグアンタナモ基地の返還を求めるものです。
私たちが求めるものは、人間の尊厳が守られる社会です。一握りの人間に富が集中し、経済格差の拡大や軍事力の増強が容認され、抑圧、制裁、弾圧が幅を利かせる社会ではありません。国民のだれもが平等に医療、教育を受けられ、文化、スポーツを愛し、国民のだれもが自由にそれらに参加する権利が保障されるキューバ、そしてそのための大前提となる平和主義、国際主義を掲げ実践するキューバは、人類が直面している諸問題を克服し、持続可能な未来の社会システムモデルを提供するものと確信します。日本キューバ友好協会は、様々な困難を乗り越えて、社会生活基盤の整備に取り組むキューバ国民の皆さんに改めて深い敬意を表するとともに、皆さんとの友好と連帯の絆をより一層強める決意です。
2018年5月27日
第52回日本キューバ友好協会定期総会（東京）